GRPO による claim 単位のハルシネーション検出評価モデル
GRPO で Qwen 14B を claim 単位のハルシネーション評価モデルとして学習。人手でラベル付けした 1,000 件超の claim で、F1 がオープンソースの RefChecker 比 7%、SFT ベースライン比 10% 以上向上(いずれも相対値)。
背景
RAG による医学文献レビュー生成サービス(2 系統検索 → リランク → 構成案 → 本文)で、生成工程を担当。レビューは長文で、すべての結論を参考文献まで遡れる必要があり、人手による確認のコストが高かった。
課題
- ハルシネーションの定義が広く、特に「不合理な推論」はルールやプロンプトで記述しきれない。例示もコンテキスト長に制約される。
- GPT・Gemini を教師モデルにしても自社モデルの上限を超えず、蒸留路線は不成立。
- 評価モデルはラベルだけでなく推論過程と根拠を出力する必要がある。そうでなければ説明も改善もできない。
- 誤り例の多様性が不足し、既知の誤り種別しか検出できない。
SFT / DPO ではなく GRPO を選んだ理由
- ハルシネーション検出は正解が明確でフィードバックが得やすく、数学・コードで RL が成功した条件と一致する。
- SFT・DPO は推論過程をサンプルに書いて教えるしかなく、人間の推論力が上限になる。GRPO ならモデル自身が推論経路を探索できる。
- チームの GRPO フレームワークは GSM8K で SFT を上回っていた。PPO はフィードバック経路が長く、うまく学習できなかった。
アプローチ
- 誤りの分類:前提の欠落、不合理な推論、取り違えの 3 種類に人手で分類。
- タスク分割:長文を参考文献付きの claim に分割し、1 件ずつ判定。
- 負例はすべて合成:Qwen 72B が指定の誤り種別で正しい文章を書き換え、既存の検出モデルで検出できたものを除外して難例のみ残す。これを 3 回反復。
- 学習:GRPO で Qwen 14B を学習。報酬 = 正確性報酬 + 形式報酬。
- 評価:人手でラベル付けした 1,000 件超の claim。
成果
- F1 が RefChecker 比 +7%、SFT ベースライン比 +10% 以上(相対値)。
- 評価モデルを生成モデルの改善に活用(専門性の人手評価スコア、いずれも相対値):self-reward アライメント +10%、claim 単位のハルシネーション率 約 50% 低減。評価モデルで作った選好データによる DPO +5%、日英術語辞書 +5%、RAFT によるノイズ耐性学習 +4%。
評価モデルによる生成品質の向上(専門性スコア、相対値)
担当範囲
評価モデルは単独で担当(誤り分類、データ合成、学習、評価)。RAG 生成品質の改善では生成工程のアライメントを担当。